私たちは、医師と看護師で患者さまのご自宅を定期的に訪問し、診察、検査、治療、療養上の相談などを行っています。患者さまの生活の場での医療を提供し、健康管理や病気の予防、そして必要に応じて専門医療機関への紹介や入院調整を行います。
訪問診療を利用されている方は、歩行が困難だったり寝たきりだったりして、病院へ行くこと自体が難しいという方が大半です。「通院できない=医療を受けることが出来ない」状況というのは、とても不安なことだと思います。だから継続して自宅で診療を受けられるということで、ご家族を含めとても安心していただけています。非常に喜んでいただけますので、やりがいしかないですね。
「これが」というのは難しいですね…。どの患者さまとも、濃密な時間を過ごしていますから、今まで診療したすべての患者さまが記憶に残っています。もしも大きい病院だったら、こんなに密に向き合うことは出来ません。でもここでは、一人一人の患者さまとしっかり向き合うことが出来るので、名前を聞いただけでその方の顔を思い出せます。

訪問診療において、バックグラウンドで大きな病院が連携していることは、大きな強みだと思います。例えば、訪問先でレントゲン撮影などの検査が必要になった場合、どうすればいいのか迷ってしまうことがありますよね。そういった状況では、「大きな病院にお願いしなければ」と感じることも少なくありません。そうすると、一度自分の手から患者さまの状態が離れてしまうんです。「入院も視野に入れて検査を進めましょう」と提案したくても難しかったりします。ですから、病院とのバックアップ体制があるということは、訪問診療にとって非常に大事な要素です。私自身も、常に最新の情報を確認できるので、とても安心です。
やっぱり「気遣いができる人」と働きたいですね。医師も看護師も、「こうあるべき」と考えすぎる人は、対応の難しい患者さまには柔軟に対応しづらくなってしまうんです。実際、患者さまによっては「こんな治療は受けたくない」「そこまで望んでいない」といったケースもあり、一筋縄ではいきません。ですから、「じゃあ、こうしてみましょうか」「今はここまでで大丈夫です」と、一緒に答えを探していける対応力が求められます。そんな意味でも、気遣いができて優しい人と一緒に働きたいですね。

